【2013年2月3日「7年越し感動の再会」(営業部・佐藤)】
「人に歴史あり」と申しますが、私、営業部・佐藤の出版人生にも紆余曲折がありました。
その中でもあまり他言していない「黒歴史」が私にはあります。
私は7年程前にギャグ漫画雑誌の編集長をしていたことがあります。と言っても零細出版社でしたから有名作家を取ってこられる筈も無く、趣味的にブログにUPしている作家さんや、同人誌で書いている作家さんを、安い原稿料で集めて1冊にまとめる、といったものでした。それも「カストリ」までも行かず、2号で廃刊になり、幾分かはその責任で会社を辞めることになりました。「作家のみんなはどうなるんだろう?」というリグレットを抱えながらの退社となりましたが、時が経つにつれ、そんなことも忘れていきました。
そんなギャグ漫画雑誌でも、1号が出た後は「わたしも書きたい」という投稿や、持ち込みに来てくれる作家さんもいました。その中の一人に、私が打ち合わせスペースで原稿を読み、「このままイケますね。話の順番だけこちらで決めさせてください。」と即OKした作家さんがいました。その当時、私は「読者が面白いと思うギャグ漫画は何か?」と深く真面目に、とても厳しく考えていたので即OKという作家さんは他にはいませんでした。それが「木下晋也」さんでした。
私はその後、ジャンルが全く違う亜紀書房に入社して、漫画雑誌も次第に読まなくなり、今の漫画事情など全然フォローできていませんでした。
しかし、今年1月から亜紀書房に入社した営業部のIが「スゴイ面白い漫画があって、今度サイン会があるんですよ〜」と何度も言うものだから耳を貸すと、なんと、その「木下晋也」先生なのでした。講談社の『モーニング』で連載されていた「ポテン生活」という作品が10巻で完結し、それを記念して、ツタヤ渋谷店でサイン会があるとのことでした。私は嬉しさと、懐かしさと、申し訳無さと共に、会いに行く事にしました。
開口一番「ご立派になられて……」と握手を求めにいった私に、少し引き気味の彼は、あの頃と変わらない、当時「草食系」と言われた優男のままでした。よもや「裏切ったと思われてはしないか」という私の不安とは裏腹に、「今度一緒にお仕事できたらいいですね」と笑ってくれました。私の「黒歴史」がこの日、やっと救われた気がしました(泣)
(サイン会での写真はNGでしたが私は特別に撮って貰いました。WEB掲載も許可いただきました。)
http://morningmanga.com/blog/poten
『ポテン生活週休2日』(木下晋也 先生)
初出:「亜紀書房 佐藤」Facebook ページ
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